81 職住隣接で大事なこと


「ベターライフ(better life)」と検索すると、ライフの意味を「人生、生活、健康(生命)」をキーワードにしてヒットします。これに「人生後半戦の」と加えるとこのブログがヒットします。人生後半戦にベターライフを考える人はまだまだ少ないんですね。

多様性
職住隣接は「人生後半戦のベターライフ」の1つのモデルである。多様性が唱えられる時代ではあるが、目に見える多様性に注目が集まり、見えない多様性である考え方についてはあまり語られていない。
職住隣接で大事なことは、自分が選ぶライフスタイルで何を得たいかよりも、ライフスタイルのベース(基盤)を見定めることである。このベースが定まらないと長続きしないし、できない。
「大事なこと」としたのは、「大切な」では主観的過ぎるし、「重要な」では客観的すぎるからである。「大事な」は自分にとって重要でありながらも、他の人にも共感を促すニュアンスがある。
ライフスタイルとは自分だけが良ければいいということでもないし、他の人との協調を考えればいいということではない。この2つが調和する環境を、「場所、時間、人間関係」で考える必要がある。
日本では自分を主張することよりも、身の回りの環境との調和を目指す傾向があるのは、長年の社会教育によって培われた民族性にある。これらの社会調和は人生が50年±10年の時代に作られてきた。
現在の人生100年時代には合うか、合わないかは、前述の多様性の捉え方によっても変わる。目に見える多様性からは合わないかもしれないし、目に見えない多様性からは人それぞれだと思う。
課 題
私の人生後半戦には2つの底流がある。1つは体調維持のための健康管理であり、もう1つはベターライフという考え方であることは既に述べた。「ベターライフ」にもいくつかの基本的な考え方がある。
その中で「問題ではなく課題を考える」という姿勢がある。問題と課題の違いは、問題は正解があり、課題は対象が問題なのかどうかを考える過程である。問題となれば正解を見つけるためのプロセスに移る。
課題は問題の前段階で、必ずしも解があるとは限らない。解を求めるために、「何を、どのように」すればよいかを考える。ときには、「いつ、だれと、どこで」を考えることもある。
課題を考える時間は、緊急度と重要度で決まる。緊急度の高い課題は時間をかけずに、重要度の高い課題は時間をかけて考える必要がある。緊急度と重要度が高い場合は、それが「問題」の証である。
緊急度と重要度のマトリックスは、問題を解決する優先度の判別方法のように考える人もいるが、私にとっては、問題か課題かを考える判別方法である。
そして、「課題を考えること」がベターライフのあり方だと考えている。
ベター
現代ではベストライフを目指す論考が多い。成功、勝ち組、お金持ち、幸福など、これらは常にベストを目指す考え方である。ベストは1つしかないので、ベストにたどり着いた時には、新たな目的や目標を見つけるための消耗戦が始まる。
ベターは多様な選択肢がある。選択肢の中には、実現可能なことと不可能なことがあり、それを選択する課程が人生だと考えている。選択肢が受け入れられない場合は、他の人の選択肢を参考にしてもよい。
このベター思考を行っているときには、優柔不断や曖昧だと他の人に思われるかもしれないが、気にすることはない。これは前述の通り大事な選択であり、主観的な判断で、その判断を他の人と共有するかどうかだけである。
ただし、緊急度と重要度のマトリックスには、前述の他にもう1つの領域がある。「緊急でも重要でもない」という領域である。過去の人生を振り返れば、この領域に時間やお金を費やしたことがあるのではないだろうか。
この領域で未来の人生を考えないことこそが、人生後半戦にとっては大事である。この領域は、気づかぬうちに時間や思考を奪い、本来向き合うべき「課題」から目を背けさせてしまう。
この領域に踏み入れさえしなければ、あらゆる可能性の組み合わせの中から、自分にとってのベターな選択肢を冷静に選び取ることができる。
ベストにはゴールがあるが、ベターにはゴールがない。とは言っても人生後半戦には終わりがある。自分に合った人生の方向性を示すライフスタイルの多様性に着目しベターな思考をしてみよう。
選 択
人生後半戦のベターライフとは「選択」の連続である。それは増やすための選択ではなく、減らすための選択である。無数の選択肢の中から何を選ぶかという判断は、自分自身が持つ「基準」に委ねられる。
冒頭で、「見える多様性」と「見えない多様性」についての考え方について述べた。現代社会は、性別や国籍、容姿などの「目に見える多様性」で判断する方向へ進んでいる。
しかし、本当に重要なのは、私たち一人ひとりの内側にある「見えない多様性」ではないだろうか。特に人生後半戦では、すでに持っている、身についている過去を基準とした多様性で判断する傾向にある。
ベストライフが正解を目指す人生だとすれば、ベターライフは自分の基準を満たしながらも、社会的な正解を共有する人生になる。「個人のベターが社会のベストになる」と以前の記事でも述べた。
この「見えない多様性」の源泉、すなわち、自分が自分らしくあるための基準を確かめてみよう。難しく考えることはない。これだけは譲れないという「なにか」をリストアップしてみよう。





