健康管理の重要性 ~人生後半戦のWOLの見直しと新しい健康観

健康管理の重要性 ~人生後半戦のWOLの見直しと新しい健康観
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人生後半戦における健康管理は、身体的なケアだけでなく、幸福感や生きがいを重視する新しい視点が求められています。私はデジタル機器中心の健康管理を行っています。

健康管理の再定義:パターン化から個別化へ

一般的に健康管理というと、「食事・運動・睡眠」という3つの要素が重視されている。これらは健康維持に重要な要素であるが、一人ひとりの状況は異なり、パターン化したアプローチでは十分な効果が得られない場合がある。

高齢者の健康管理は、予防医学の観点から「生活習慣病の予防」「フレイル予防」「認知症予防」などを中心に進められてきた。予防対策として、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が推奨されている。

しかし、同じ年齢の高齢者でも、持病の有無、体力の差、生活環境の違いにより、必要な健康管理の方法は大きく異なっている。

また、ADL(日常生活動作)の維持・向上は、高齢者の自立した生活を支える重要な要素である。しかし、ADLも個人差があり、例えば、階段の昇り降りが困難な人と、散歩が日課の人では、必要な運動プログラムは異なっている。

健康管理の再定義とは、つまり「自分にとっての健康とは何か」を考え直すことから始まる。それは必ずしも医学的な基準だけではなく、その人らしい生活を送るための基盤として捉える必要がある。

高齢者健康管理における現実と課題

人生後半戦、特に高齢者の健康管理は、医療、介護、保健等の分野が複雑に関係している。これらには、社会的な制度としての課題と、個人の健康維持における課題がある。

社会的な制度の課題として、高齢者医療制度の現状がある。医療費の自己負担は所得に応じて1~3割と定められているが、退職後の所得減少により、必要な医療を受けることを躊躇する高齢者も存在する。

また、地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口として設置されているが、人材不足や地域格差により、十分な支援体制が整っていない地域もある。

一方、個人の健康維持における課題は、加齢による身体機能の低下や疾病の増加への対応である。特に、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理、認知機能の低下予防、転倒予防などが重要となる。

しかし、これらの予防や管理方法は画一的なものが多く、個々の高齢者の生活状況や価値観に合わせた対応の不足が指摘されている。

これらの課題に対して、社会的な制度の見直しとともに、高齢者自身が自分の健康状態を理解し、適切な対応を選択できる環境づくりが必要となっている。

それには、医療や介護の専門家による支援だけでなく、高齢者が主体的に健康管理に取り組める仕組みが求められている。

WOL(幸福の質)を重視した新しい健康管理

健康管理は年齢に関係なく重要であるが、人生後半戦における健康は、身体的な健康状態だけでなく、精神的な充実感や社会的なつながりなど、多面的な要素によって支えられている。

人生後半戦は大きく3つのステージに分けられる。成長期から成熟期に位置するステージでは、キャリアと健康の両立が課題となる。成熟期から高齢期に入るステージでは、身体機能や認知機能の変化への適応が求められる。

そして成熟期を過ぎた高齢期のステージでは、これまでの生活習慣を維持しながら、新たな生きがいを見出すことが重要となる。これらのステージでは、健康に対する意識や課題は異なるものの、幸福感の追求という点では共通している。

QOLとWOL

従来のQOL(Quality of Life:生活の質)は、日常生活における満足度や充実感を重視してきた。一方、WOL(Well-being of Life:幸福の質)は、人生における幸福感や生きがいなど、より長期的で本質的な価値を重視する考え方である。

WOLを重視した健康管理では、年齢に関係なく、個人の価値観や人生観に基づいた幸福感を求めている。医学的な基準や社会的な制度を超えて、その人らしい健康的な生き方を支える基盤となるものである。

このような視点から、健康管理は単なる予防や治療の手段ではなく、WOLを目的とし、充実した人生を送る手段として捉え直す必要がある。

職住隣接ライフスタイルと健康管理

職住隣接における健康管理とは、自宅での健康維持であり、その基盤となるのが自己管理である。自己管理は、目標、チェック事項、記録が必要になる。

また、仕事環境と生活環境ではチェック事項が異なるので、二重の管理が必要になる。これらをスムーズに行うには、自動記録機能がある健康管理機器を利用するのが良い。

実際にそのような機能のある健康管理機器で収集したデータもクラウドに保存できるが、このデータに対する評価を元にしたアドバイスの多くは機械的な定型文になっている。

このような現状が、自己管理による健康維持の限界を物語っている。

のため、医療機関や介護施設との連携が重要となる。特に人生後半戦では、定期的な健康診断や専門家による健康相談など、専門的なケアを適切に組み合わせることが必要である。

また、職住隣接では、居住地域の医療、介護、保険制度によって利用できるサービスが異なる。そのため、自身が属する地域の社会的制度を正しく理解し、必要なサービスを適切に選択し、コミュニケーションを日ごろから行うことが求められる。

このように職住隣接における健康管理は、自己管理を基本としながらも、専門家による支援と地域の施設や制度を効果的に活用することで、より充実した健康管理が可能となる。

健康管理成功への鍵

人生後半戦における健康管理は、個人の生活スタイルや健康に対する価値観によって大きく異なる。しかし、その基本となるのは、自分の健康状態を正しく理解し、必要な対応を適切に選択することである。

健康管理の情報は、医療機関からの専門的なアドバイス、自治体からの制度案内、インターネット上の一般的な情報など、様々な形で提供されている。

しかし、これらの情報を自分の状況に合わせて取捨選択し、実践して健康につなげることは容易ではない。

また、健康管理機器やアプリを利用しても、データの収集と記録だけでは意味がない。それらのデータを基に、自分の生活を見直し、必要に応じて専門家に相談するなど、能動的な行動が求められる。

特に職住隣接というライフスタイルでは、仕事と生活の境界が曖昧になりやすい。そのため、健康管理も仕事や生活の一部として意識的に取り組む必要がある。

健康管理を行う目的は、単に病気を予防することではない。自分らしい生活を維持しながら、心身ともに充実した日々を送ることができる状態を目指すことである。

そのためには、日々の違和感を伴う小さな変化に気づき、適切に対応できる知識と感覚を養うことが肝要である。

職住隣接物語