私の対面と非対面のコミュニケーション~職住隣接での使い分け
仕事でも生活でもコミュニケーションは重要です。短い時間で伝えることができ、確実に伝わる方法を選んでいます。
職住隣接とコミュニケーション
在宅で仕事をすることのデメリットとして、「コミュニケーション不足」と「指揮監督下にないこと」があげられている。日本もアメリカの大手企業も職場回帰を求めているという。
私は、むしろ不必要なコミュニケーションを取らずに済むし、管理された職場環境は息苦しいと感じてしまう。これは、仕事の課題というよりは個人の状況である。
仕事上の課題とは、能力不足や仕事の要件を満たせなくなった場合を指す。このような状況でのコミュニケーションとは、解決の答えを教えることになる。
解決する方法を教えることと、答えを教えることは違う。「人を育てる」のは方法を教えることだろうか、それとも答えを教えることだろうか、もちろん前者である。
これが本来のコミュニケーションの目的であり、職場での管理体制も同じ考えで進めるべきだと考える。職住隣接でも同じことが言える。
コミュニケーションの種類と特徴
職住隣接では、状況に応じて適切なコミュニケーション方法を選択する必要がある。
対面と非対面のコミュニケーションの違い
対面のコミュニケーションは、顔が見える距離での直接会話である。最も基本的な方法で、正確な言葉づかいではなくても意図や意思が通じやすい。
非対面のコミュニケーションは、異なる部署や外出先など、直接会えない状況でのコミュニケーションを指す。よく使う手段は電話であるが、音声だけでも感情が伝わる。
指示や管理は電話だけでは状況判断が難しい。電話が通じない場合は連絡手段自体が失われる。私も新入社員時代は定時連絡を義務付けられ、コミュニケーションをとっていた。
対面と非対面には、それぞれ長所と短所がある。状況に応じて使い分ける必要があるが、複雑な場合分けは避けるべきだ。
非対面の場合、コミュニケーション不足や指揮監督の難しさが指摘されるが、これは非対面ならではのメリットを理解していないのかもしれない。
在宅時の仕事のコミュニケーション
在宅での仕事には二つの形態がある。一つは職場が別にあり自宅で仕事をする在宅勤務、もう一つは自宅を職場とする在宅ワークだ。
さらに、外出先で仕事をするモバイルワークや、場所を自由に選んで仕事をするノマドワークなど、働く場所の選択肢は広がっている。
これらの働き方を支えているのが通信技術の進歩だ。電話はもちろん、文字や画像のやり取り、ビデオ通話、遠隔操作まで可能になっている。
かつては特定の部署や担当者だけが使っていた通信技術も、今では当たり前のツールとなった。通信手段の進化に合わせて、働き方も多様化している。
対面中心だった時代と比べ、コミュニケーションの目的も手段も大きく変わった。働く場所を選択できることが、新しいコミュニケーションの形を生み出しているのだ。
生活におけるコミュニケーション
生活の中での会話は、仕事の場合と異なる特徴を持つ。対面での会話が中心で、より簡略的なやり取りが多い。
家族との会話は短く簡潔になりがちだが、仕事では長時間の打ち合わせが求められる。ただし、小規模な職場では家族的な雰囲気で、より親密な会話が増える傾向にある。
日本の特徴として、公的な場と私的な場での言葉遣いが明確に区別される。敬語や丁寧語の使い分けは、その典型的な例だ。
この「公的な仕事」と「私的な生活」の区別は、日本の社会では重要視される。この境界線を意識できない場合、仕事面でも生活面でも困難を感じることがある。
しかし、本質的に大切なのは「伝える」「伝わる」という双方向のやり取りだ。
相手に伝え、確実に伝わるためには、両者の努力と工夫が必要となる。この基本を理解することが、職住隣接という新しい働き方を可能にする。
私が実践するコミュニケーション術
職住隣接という働き方を選んだ私は、人とのやり取りに独自のルールを設けている。以下が具体例だ。
▪️電話での対応
リアルタイムでの通話は最小限に抑え、折り返しやテキストメッセージを基本としている。ただし、視力障害のある人からの電話は例外で、即座に対応するようにしている。
▪️対面での工夫
対面での対応は、事前に時間調整を行い、15分以内と決めている。この時間を超える打ち合わせには参加しない。最初は理解してもらえなかったが、今では普通になっている。
▪️オンライン会議
自由に離席できる利点があり、参加自体は受け入れている。ただし、集中力が持続するのは最初の15分で、残り30分は聞き役に徹する。
▪️アイデア出しの場合
集団発想法の一つであるブレストは、時間を気にせず意見を出し合える場として重要だ。ただし、健康上の理由で長時間の参加が難しく、今は書面でのやり取りを中心にしている。
▪️家族との連絡
別々に暮らす家族とは、時間差での連絡が基本だ。留守電、メッセージ、写真、ビデオなどを活用し、重要な話は短時間の対面を複数回に分けて行う。もちろん緊急時は別だ。
▪️地域との関係
対面を好む人が多く、時間制限の概念も薄い地域コミュニティでは、効率的な関係作りが課題となっている。この点については別記事でお話しする。
職住隣接はコミュニケーションが鍵となる
多様な連絡手段を使いこなすことで、職住隣接の働き方はより快適になる。以前はZoomやSlackなど様々な新しいツールを使用していた。
現在のコミュニケーションツールは、スマホはiOSとAndroidの基本機能を中心にして、PCはブラウザで動くツールを相手に合わせて使い分けている。
人との関係づくりには共通の言語が必要だ。それは会話で使う言葉だけでなく、使用するツールについても同じことが言える。互いに使い慣れたツールを選ぶことで、スムーズなやり取りが可能になる。
一方で、文字での読み書きを避ける傾向が強まり、長文を読まない人が世代を問わず増えている現状が気がかりだ。新しい働き方を考える上での課題だと感じている。
職住隣接という選択をする前に、まず自分に合ったコミュニケーション方法を見つけることが重要だ。なぜなら、このことが新しい働き方を成功させる第一歩となるからだ。