最短通勤で生まれる余裕~移動時間の短縮と集中時間の確保

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5秒通勤で、集中できる時間と環境、集中後のストレスも緩和できるようになった、という話です。

私の仕事スペース

私は職住隣接という働き方を選んでいる。現在の家は、中央に玄関、左側に仕事スペース、右側に生活スペースという間取りで、仕事と生活の場を同じ建物内に設けている。

仕事スペースが私の職場だ。朝食後の通勤はたったの5秒。生活スペースから持ち込むのは、飲み物だけである。

仕事スペースは、居住スペースに比べて5分の1ほどのスペースである。いわゆる4畳半の洋室だ。デスクワークが主なのでこのスペースで十分な広さだ。

デスク周辺の環境

紙の資料は書籍だけ、書類はほぼない。書籍も書類も電子化して、SSDとクラウドに保存しているので、専用のPCかタブレット1台で用は足りている。必要な時に大きなディスプレイに映すことはある。

ちなみにパソコンは3台、5年に1度はローテーションで買い替える。プリンタはあるがほこりをかぶっている。もちろん固定電話もFAXもない。電話はもっぱら留守電対応にしている。

ここで、こんな感じですと写真をアップすることを期待する人もいるかもしれないが、それは他の方にお任せしたい。

通勤という移動が嫌いなわけ

昔から移動が嫌いなのかというと、そんなことはない。旅行は好きだったし、野山を歩くのも好きだった。移動が嫌いになったのは、学校へ通うようになってから、通学時間が苦痛になった。

小中学校は往復2時間、高校は往復1時間、大学は往復3時間の通学時間があった。社会人になっても、最初の会社が往復1時間半、配置転換で往復3時間、ここまでで計7000時間を通学通勤時間に使っていた。

月160時間労働に換算すると、通勤通学時間だけで3年半以上を費やしていたことになる。このことは小学生の時から感じていたが、行動に移したのは30歳半ばになってからだ。職住隣接を可能にする転職をしたのである。

通勤時間も積もれば膨大になる

通勤が嫌いなわけは、有意義な時間と感じられなかったからだ。通勤通学に使える時間は1日往復30分が許容範囲だとすると、学生時代とサラリーマン時代の通勤時間の平均が2.0時間、これに年数をかけて集計すると、その差が私の場合は10000時間になった。

なんとか通勤・通学時間を有効に使おうといろいろ試してみたものの、効果はあまりなかった。私は学習も仕事も短時間集中型なのだ。このように言うと、通勤通学時間も有効に使えそうだが、そうではなかった。

集中するには、集中する環境が必要なのだ。正確に言うと、視覚や聴覚を刺激しない集中するまでの環境が必要なのである。現在のようにスマホやノイズキャンセリングイヤホンがあれば、また違っていたかもしれない。

移動時間を減らすか、快適にするか

移動時間の問題を解決するには、大きく2つのアプローチが考えられる。1つめは移動時間を移動時間以外に使う方法である。

仕事には集中する時間と緩和する時間が必要である。通勤時間に限らず、移動時間は仕事を行う手段であるにもかかわらず、目的化されていることが多い。

通勤時間は職場で仕事をするための手段であるし、営業や出張も現地で仕事をするための手段である。移動という手段を提供する事業もあるが、その場合でも職場への移動は発生する。

移動時間を最短化するためには、職場に住む「住み込み」か、もしくは最近では一般的になった「在宅勤務」になる。これだけでは、メリットとデメリットの論争になってしまう。

移動時間の有効活用

移動時間が必要な場合もあることは承知の上で、毎日移動するのではなく、1週間または1ヵ月の移動時間としてコントロールするようにしてはどうだろうか。

また、移動時間を快適にすることで、移動中に仕事ができるようにするのも1つの方法である。このように考えると運転席と客席を完全分離するタクシーや、長距離移動には仕事が可能な環境を提供する列車や航空機がもっと増えて欲しいと考えている。

費用がかかっても生産性があがれば、移動時間の費用対効果は見込めるのではないだろうか。

職住隣接にすると通勤はない

2つめは、移動時間を最小化し、集中時間を最大化する、また集中からの緩和時間も適宜取れるのが、職住隣接という働き方である。

仕事スペースと生活スペースが密接しているとけじめがつかないと考える人がいるが、職場でも同じである。仕事スペースで休憩を取っているようならば、それはけじめをつけていないことにならないだろうか。

私の場合は、仕事スペースと生活スペースの間に玄関スペースがある。玄関スペースにはトイレや階段下のスペースがあり、ここが仕事と生活の緩衝スペースとなり、気持ちの切り替えを行っている。

仕事への集中とストレス緩和

仕事をするときには、いかに最小の資源で最大の成果を出すかが常に問われる。その1つに集中力を維持することがあると考えるならば、職種によっても異なるが職住隣接は可能ではないだろうか。

私は人生後半戦になって心臓に持病を持つようになった。この病により過度な集中や長時間作業によるストレスを避ける必要があり、これも職住隣接を選んだ理由の一つである。

人生後半戦は体力勝負、集中力勝負の仕事が難しくなってくる。であれば、ラウンド数を増やす、つまり仕事時間と緩和時間を繰り返して、集中力を維持する方法もよいのではないだろうか。

職住隣接物語