時間的な仕事スペース ~自分らしい時間管理で仕事を変える

時間的な仕事スペース ~自分らしい時間管理で仕事を変える
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職住隣接での時間管理を、私が実際に使っている3つのツールと使いを工夫しながら快適に仕事をする方法についてお話しします。

仕事と時間の関係

仕事とは成果である。したがって、仕事を行うためにかける「お金、時間、人力」などは少なければ少ないほどよい、というわけではない。仕事の量には当てはまっても、仕事の質には必ずしも当てはまらないのだ。

「お金、時間、人力」の3つの中で仕事の質に関わるのはどれだろうか。多くの人は「人の力」だと考えるかもしれない。では「人の力」を向上させるために何が必要だろうか。

「人の力」を向上させるためには、教育や研修、トレーニングが必要になる。このような考え方は主に「人の力」に頼っている仕事では効果があった。しかし現在では、人の力だけで行う仕事は少なくなっている。

例えば、お金をかけて最新の機械やコンピューターを導入する、時間をかけてよりていねいな仕事を行うという選択肢もある。究極は「人」を入れ替えるということになるかもしれない。

仕事と時間の関係は、それぞれの仕事によって投入する「力」も異なれば成果を判断する基準も異なるのだ。職住隣接を行う場合に、職場での仕事にかける力と成果基準と同じように行うかどうかをまず考えなければならない。

仕事時間の始まりと終わり

仕事と時間の関係を考える上では、仕事の始まりと終わりをどのように管理すべきだろうか。職場や現場などで仕事をするときは、働いている時間が仕事時間となる。

たとえ、5分の休憩をはさんでも、5分の雑談をしても、これらは仕事時間に含まれる。一方で、通勤時間や自宅で仕事のことを考える時間は、仕事時間とはみなされない。

つまり、職場で働くときは、勤務時間がそのまま仕事時間としてみなされている。実際には7時間の勤務時間でも、7時間連続して仕事に集中することはできず、適宜休憩をとっているはずである。

残業に関する規則があっても、それは残業の適切性というよりは、給与体系の1つとして考えられているのではないだろうか。仕事が早く終わっても帰宅できず、給与にも反映されない実態がある。

これまでの仕事の仕方は、みなし仕事時間で、みなし仕事量を行い、みなし給与として体系づけられているのである。ジョブ型やメンバーシップ型の違いとも言われるが、これは仕事に対する考え方の本質的な違いだと考えている。

職住隣接を行うには、仕事の管理と時間の管理、そしてこれらを組み合わせた仕事時間の管理を自ら行い、職場で仕事をする以上の成果を出さなければならない。

仕事スペースで時間管理を行う

職住隣接での時間管理は、仕事スペースにいる時間をどのように使うかが重要になる。注意すべきは「仕事をする」と「働く」の違いだ。仕事はやりがいを感じながら成果を出すことであり、働くとはその過程で行う様々な活動を指す。

私の場合、仕事スペースでは仕事にだけ取り組み、他のことは行わない。食事や長めの休憩は必ず生活スペースでとり、電話やメールの確認も、緊急性の高いもの以外は決まった時間帯に行う。これにより、無理なく仕事に向き合える。

かつての職場では「ちょっといいですか?」という声かけで仕事が中断されることが日常的にあった。上司や他部署からの依頼であれば断れず、同僚との雑談にも付き合わざるを得なかった。しかし、職住隣接では自分で優先順位をつけ、中断するかどうかを判断できる。

ただし現在では、地域コミュニティとのお付き合いで仕事が中断されることもある。在宅ワークは時間が自由な働き方と誤解されているためだ。仕事をしている時間帯を伝えるようにしているのだが、効果は出ていない。

職住隣接における時間管理は、従来の労働時間の管理の考え方では対応できない。自分のリズムを保ちながら、必要な仕事の質も確保できる。そのための時間管理の仕組みは、それぞれが工夫して作り上げていく必要がある。

職住隣接での私の時間管理方法とは

現在私が行なっている時間管理では、Googleカレンダー、ポモドーロタイマー、月間予定表(Googleスプレッドシート)の3つのツールを使っている。

Googleカレンダー
最もよく使うのがGoogleカレンダー(以下、カレンダー)である。すべての予定をここに集約している。カレンダーには「カスタムビューの設定」という項目があり、これを7日にすると常に今日から1週間の予定が表示されて見やすくなる。

またマイカレンダーを予定と実績に分け、さらに実績を「仕事、生活、休養」に分け、計4つで管理している。一時的な予定はタスク(ToDoリスト)として管理している。ポイントは予定だけでなく実績も管理することだ。

ポモドーロタイマー
次によく使うのがポモドーロタイマーである。本来は「集中25分‐休憩5分」の繰り返しと長時間の休憩の組み合わせだが、私の場合は「集中45分‐休憩15分」の繰り返しで、長時間休憩は設定していない。

これは15分の倍数で管理することで、カレンダーの最小単位である15分の単位の予定に書き込みやすくするためだ。実際には、ポモドーロテクニックに慣れてくると25分の集中では短く、休憩は5分では短かった。15分の休憩なら簡単な家事も行える。

月間予定表
月間予定表はカレンダーとは違い、仕事全体のスケジュールを書き込み、実績は書き込まない。また、月をまたぐ予定もあるので、2ヵ月表示がよいのでGoogleスプレッドシート(以下、シート)で作っている。

月間予定表には、シートの機能であるコメントがあり、ドキュメントやPDFのリンク先を貼っておくと、仕事ごとに関連の資料を見ることができる。この方法に慣れると、仕事ごとにフォルダーを作るより簡単に探せるようになった。

大切なのは快適に仕事ができ、続けられること

物理的な仕事スペース、時間的な仕事スペースと、職住隣接での仕事スペースについてお話してた。大切なのは、職住隣接の環境で快適に仕事ができ、続けられることである。

次回は、快適に仕事を続けるための心理的な仕事スペースについてお話しする。

職住隣接物語