シンプルなコミュニケーションの7つのステップ
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シンプルを「簡単」「わかりやすい」と短絡的に考えるのではなく、シンプルだからこそ選び抜いた要素が重要になる、という話です。
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この記事は「職住隣接でのコミュニケーション術〜仕事と生活の使い分けのコツ〜」を作成時の当初は記事に含まれていた部分である。
より実践的なコミュニケーションの方法として、7つのステップに分けて説明しているので、興味のある方向けの記事となっている。
シンプルなコミュニケーションとは
「シンプルなコミュニケーション」とは、簡単なあいさつ程度のコミュニケーションということではない。何かを伝えたい、なにかを知りたいといったときに、時間をかけずに意志を伝えるためのコミュニケーション方法のことである。
そのためには、冒頭の「職住隣接でのコミュニケーション術」で紹介した英会話教室で知った「P.R.E.P」(Positive、Respectful、Engaging、Persuasive)に沿って、以下の7つのステップで考えてみた。
7つのステップの実践方法
1.第一印象の重要性(Engaging:人を引きつける)
コミュニケーションをとるときは、その時の第一印象が大切だ。笑顔とはいかないまでも、落ち着いた雰囲気が適している。相手に警戒心を抱かせない、自然な態度を心がけたい。
2.時間の確認(Positive:積極的な姿勢)
コミュニケーションは、相手の時間をいただく了解を求めることから始める。「お時間いただけますか」「今、ちょっといいですか」などの言葉で、相手の状況を確認する。この時点で相手の反応を見ながらその後のコミュニケーションの仕方が変わってくる。
3.内容の準備(Persuasive:説得力)
あらかじめ最低限のコミュニケーション内容をまとめておいたほうがよい。準備が不十分な場合は、「○○○について伺いたい(お話ししたい)のですが、お時間いただけますか?」と切り出し、もし都合が悪ければ、次回の予約を聞いてみるのもよいだろう。
4.適切な言葉遣い(Respectful:敬意を表す)
日本語であれば敬語、特に丁寧語を使うのがよい。相手がためぐちで接してきても、親密度やコミュニケーションの内容に合わせて丁寧に接するべきである。特に職住隣接環境では、仕事と生活の境界線が曖昧になりやすいため、基本的には丁寧な言葉遣いを心がけるべきだ。
5.多様な表現方法(Engaging:人を引きつける)
コミュニケーションは言葉だけでは行うわけではない。顔つきや仕草などのボディランゲージも重要である。また、今ならスマホの画面を見せて説明するのも効果的だ。ただし、肩書の入った名刺や紙の資料などを差し出すのは、勧誘と間違われる可能性があるので注意が必要である。
6.感謝の気持ち(Respectful:敬意を表す)
コミュニケーションは短時間で、要点を明確にすることが大切である。加えて、相手に感謝の気持ちを示すことも忘れないようにしよう。「お忙しいところ」「お引き止めして」などのあとに「ありがとうございました」というのが日本的な表現である。
7.状況に応じた展開(Persuasive:説得力)
もし、その場でコミュニケーションをとることが可能なら、もうひとつのPREP法で話を進めることができます。「Point(結論)-Reason(理由)-Example(例え)-Point(再度、結論)」の順で話すわけだが、相手の反応を見ながら、必要に応じて別の機会を設けてもよい。
実践における注意点
これら7つのステップは、それぞれが独立しているわけではなく、次のような関連がある。
・第一印象(ステップ1)は言葉遣い(ステップ4)と密接に関係する
・時間の確認(ステップ2)は内容の準備(ステップ3)があってこそ効果的になる
・多様な表現方法(ステップ5)は状況に応じた展開(ステップ7)に影響を与える
・また、すべてのステップにおいて、P.R.E.Pの要素が複合的に関わっている
・時間の確認は「Positive」が主要な要素ですが、同時に「Respectful」な態度も必要になる
また、これらは基本的な流れを示したものであり、実際の場面では柔軟に対応する必要がある。相手の性格や立場、コミュニケーションの目的、時間的な制約、場所や状況などに注意したい。
シンプルなコミュニケーションを身に付けるために
7つのステップは、シンプルなコミュニケーションを実現するための指針である。しかし、これを形式的に実行するのではなく、状況に応じて適切に活用することが重要になる。
特に職住隣接環境では、仕事と生活の境界が曖昧になりやすいため、適切な切り替えを行い、丁寧なコミュニケーションが行なうようにすべきである
例えば、仕事中の急な訪問への対応、生活時間帯での仕事関連の連絡、地域コミュニティとの関係維持など、相手からコミュニケーションを求められたときに適切な対応をとる必要がある。
自分からコミュニケーションをとるときも、相手からコミュニケーションを求められる時も、立場を変えて7つのステップを意識することで、より円滑なコミュニケーションが可能になる。
最後に強調したいのは、シンプルなコミュニケーションは「簡単」ということではない。相手を理解し、状況を把握し、適切な方法を選択する。この積み重ねが、結果として無駄のない、効果的なコミュニケーションにつながっていく。
なお、シンプルなコミュニケーションの7つのステップは、一度の実践で完璧にできるものではない。日々の生活の中で少しずつ試してみて、自分に合ったコミュニケーションスタイルを見つけていくことをお勧めする。